■騙り

■作:P・P・パゾリーニ,演出:川村毅,ティーファクトリ
■座高円寺,2012.4.18-22
■父と息子の関係にパゾリーニ色が上手く重なっているから舞台に厚みがでているわ。 これで背景に湿度のあるイタリアの夏がもっと表現できていれば最高よ。
舞台の父親、手塚とおるは「レオン」のG・オールドマンにみえたり、画家に転身した時の横尾忠則であったり、神経症を演じる俳優や著名人たちを思い起こさせてくれてるわね。 とても似合っていた。
川村毅はパゾリーニに一番ピッタリする気がしてきたの。 それはパゾリーニに欠けている蒸し暑いユーモアがあるからよ。 これを持って生き返ったパゾリーニって素敵だと思うわ。 でも高橋由一の「鮭」では洒落にならない!
チラシを見たら「次は「ソドムの市」をやってくれ・・」って。 これはパゾリーニの最高傑作。 なぜなら父が「次の戦争のことを考える」その先のことが語られるからよ。 だから彼は殺されてしまったの。 この作品は大事にしまっておきたいから上演しないでネ。
*劇場サイト、http://za-koenji.jp/detail/index.php?id=627