■砂町の王

■作・演出:赤堀雅秋,出演:THE SHAMPOO HAT
■下北沢・ザスズナリ,2010.12.1-12
■東京下町の鉄工所を背景に、スナック店の従業員やヤクザが登場し保険金目当てで二人も殺されるストーリーである。 工業地帯の汚い空をボケーッと見上げるシーンが多い。
この場面のお陰で激しい声高のセリフが多いにもかかわらず静けさのある芝居になっている。 そして純心な青年が騙され死んでいく悲哀にその静けさが加担する。
漫画に出てくるような殺人方法やセリフが多々あったが、零細工場の経営や下町の生活など描き方に力強さが出ている。 この強さと空を見つめる場面が独特なリズムを醸し出していて映画的手法の感動があった。 ひさしぶりに演劇の感動とは何か?を考えてしまった。
*CoRichサイト、http://stage.corich.jp/stage_main/18172