■白痴

■原作:坂口安吾,脚本:ほさかよう,演出:北澤秀人,出演:726
■下北沢OFFOFFシアター,2010.10.14-19
■初めて行ったシアターだが下北沢に7つある劇場の一つで観客80人は入れるようだ。 役者は床から出入りしたり、ブランコで空間を活用したり、隅々まできっちり歩き3mX6mの舞台を狭く感じさせない動きをしている。
着物衣装や空襲音で戦時中の緊張した雰囲気も現れていた。 伊沢と白痴のオサヨは周囲の娼婦や傷痍軍人などと別世界にいることはわかるがしかし、みていても二人のコミュニケーションがどういうものか見えてこない。
微妙な表情で心の内を表わすのは観客からは見難い。 原作もオサヨの心情を予想して伊沢が替わりに述べる必要があったのだろう。 白痴を演ずるいくつかの困難な課題が未決のままだ。 このため二人の関係はロボットのような演戯になってしまった。
途中舞台の窓を開け駅前通りの喧騒を取り入れたが焼夷弾の落下音に聞こえて効果が出ていた。
*CoRichサイト、https://stage.corich.jp/stage/21254