■人形の家

■作:ヘンリック・イプセン,演出:佐川大輔,出演:THEATRE MOMENTS
■シアター風姿花伝,2010.10.27-31
■観客にアメを配ったり、クイズをしたり、プレゼントを出したりして劇に入っていく面白い幕開きだ。 観客とのコミニュケーションをこのような形で提出する劇団は珍しい。 舞台を飾る切り絵も観客への親しみの為のようだ。
ノラとヘルメルは4人一役で演じたがこれも演出の都合ではなくて劇団内の平等主義から来ているようにおもえた。 小道具は沢山の贈物用袋と数個の旅行鞄だけ。
袋は贈物・手紙・紙幣・書類として変身し、その背後にある贈与・契約・委譲・約束を動かしていく。 これは「交換の芝居」だ。 最後にノラは交換としての離婚を決意する。 しかし離婚の経緯や感情の高まり、具体的理由は乏しいように見える。
結婚という契約を破棄するには余程の演出・演戯が必要だと再認識した芝居だ。
*劇団サイト、http://previous.moments.jp/play15/