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■ウォレン夫人の職業

■作:バーナード・ショー,演出:ドミニク・クック,出演:イメルダ・スタウトン,ベッシー・カーター,ケビン・ドイル他 ■TOHOシネマズ日比谷,2026.1.23-(ロンドン・ギャリック劇場,2025年収録?) ■主人公ヴィヴィが母ウォレンの過去と自身の出自を知り、価値観の違う母から独立していく物語である。 科白量が多いので余計なことを考えながら観ている余裕は殆ど無い。 舞台前半はウォレン夫人の自宅の庭、そして後半はヴィヴィが務める会計会社の事務室が舞台となる。 どちらもシンプルな美術で構成されており物語に集中し易かった。 登場人物は六人だが、物語の核心を語るのはウォレン夫人と彼女とホテルを共同経営しているクロフツである。 他の三人、芸術家ブレイド、ヴィヴィの恋人フランク、フランクの父である牧師サミュエルは物語を進める燃料役を担っている。 ヴィヴィは二つの過去を知り動揺する。 一つは、若き日の母が貧困から抜け出すために選んだ道の話、もう一つは、クロフツから聞かされる自身の父親にまつわる真実である。 ヴィヴィが強い精神力と高い教育に裏打ちされた独立心を持つことは理解できるが、過去を知る前後で彼女の行動に大きな変化がみられなかった点は気になった。 この舞台の弱点はヴィヴィの人生観や世界観が物語を通してほとんど揺るがず、母やクロフツのような現実の重みを感じにくかったことである。 一方で「ウォレン夫人の職業」というタイトルの強さは印象的で、まさに夫人の職業が物語を動かしていた。 それでも興味深い舞台だった。 日本の母娘物語とは一味違う価値観に戸惑いながらも、ナショナル・シアターの総合力が舞台の隅々にまで行き渡っていた。 NTL作品に外れは無い。 *NTLナショナル・シアター・ライブ2025シーズン作品 *映画com、 https://eiga.com/movie/104636/ *「ブログ検索🔍」に入れる語句は、ドミニク・クック ・・ 検索結果は3舞台 .

■フォリーズ Follies

■脚本:ジェームズ・ゴールドマン,音楽:スティーヴン・ソンドハイム,演出:ドミニク・クック,出演:イメルダ・スタウトン,トレーシー・ベネット,ジェイニー・ディー他 ■TOHOシネマズ日本橋,2018.10.19-25(オリヴィエ劇場,2017年) ■ニューヨークにあるレヴュー劇場が解体されると聞いて、かつて活躍した人たちが劇場に集まり思い出に浸るストーリーなの。 1971年初演のブロードウェイ・ミュージカルよ。  舞台は1971年だけど1941年と同時並行して物語は進むの。 つまり30年差のある二人一役ということね。 女優だったサリーが好きだったベンと再会し今からやり直そうとする。 サリーの夫バディやベンの妻フィリスを巻き込んでどうなるかと思いきや結局は元に戻る。 ・・ゥフフ。 30年前の出会いまで遡って演じるから彼ら4人の人生が見えてくる。 米国の豊かさを背景に登場人物たちの青春時代が光り輝いているのが素晴らしい。  三曲目くらいから歌詞とストーリーが一致してきたので面白くなったわね。 1945年にベンとバディが戦場から帰ってきて新聞を広げると一面に「WAR ENDS」。 ここで幕かな?とみていたら4人のFOLLY話が続くの。 ちょっと諄い感じがしたけど、題名と内容を一致させようとする責任感が出ていた。 インタヴューでソンドハイムは沢山の模倣をしたと言っていた。 一つは「セールスマンの死」かしら? それはサリーの夫バディの人生がウィリーにそっくりなの。 米国の豊かさの裏側を表現した歌詞が幾つもあったのが1971年のトニー賞優秀楽曲賞を取った理由だとおもう。 そして成功者たちの米国戦後30年をクッキリと浮かび上がらせたからよ。 ミュージカルだけど演劇的な後味がするのもNTらしい。 *NTLナショナル・シアター・ライヴ作品 *作品、 https://www.ntlive.jp/follies

■善き人

■作:C・P・テイラー,演出:ドミニク・クック,出演:デヴィット・テナント,エリオット・リーヴィ,シャロン・スモール他 ■TOHOシネマズ日本橋,2023.10.20-(ハロルド・ピンター劇場,2023年収録) ■登場人物は小説家のジョン、その妻ヘレン、そして親友モーリスの3人。 でも一人数役を熟す。 その替わり方が激しい。 妻を演技をしていると突然、祖母や女学生アンになったりする、整合性はとれているが。 同じようにジョンやモーリスはゲッペルス、アイヒマン、ヒトラーなどなどに替わる。 忙しいですね。  舞台道具はほとんど何も無い。 そして3人は台詞を喋り演技をするだけです。 効果音はスタッフが出しているらしい。 たとえばドアを開ける音など日常音のほとんどは舞台外から発します。 面白いですね。 ジョンは小説家らしくゲーテやトーマス・マンなどを話題にし、彼の蔵書「失われた時を求めて」を焚書とする場面もある。 音楽への興味は特に高くワーグナー、ベートーベンはもちろんジャズなどポピュラー系の話題も多い。 その楽曲が背景に流れる。 これが物語に効いています。 ジョンは安楽死の論文をヒトラーに気に入られナチスに入党する。 安楽死の議論が中心になるのか? でもそうならない。 彼の生活場面の描写が多い。 後半、親友でありユダヤ人モーリスとの切実な対話も中途半端になってしまった。 話題の詰め込み過ぎでしょう。 ・・いつのまにか彼は親衛隊SSの制服姿でアウシュビッツ駅のホームに立っている。 彼はおもむろに「ドン・キホーテ」を取り出す。 そこに囚人服姿のユダヤ人が演奏する「軍隊行進曲」が聴こえてくる・・。 一人数役のためテンポが速い。 ジョンの世界は家族と親友と恋人、文学に音楽、そしてナチスと扱う範囲が広い。 終幕は何とかまとめたが、ジョンの苦悩は速くて広くて上滑りしてしまった。 そして彼はいつのまにか<悪き人>になっていた。 その善悪の境はもはやどこにあるのか見えない。 今日の観客は若い女性が多い。 NTLの年齢層はいつもは高い。 スクリーンNOを間違えた? 確認のため入口に一度戻ってしまいました。 今回は特に地味で深刻なのに何故でしょうか? *NTLナショナルシアターライブ作品 *映画com、 https://eiga.com/movie/99200/ *追記・・続け...