■アリババ ■愛の乞食
■作:唐十郎,演出:金守珍,出演:安田章大,壮一帆,伊東蒼ほか
■世田谷パブリックシアター,2025.8.31-9.21
■唐十郎二本立てを観るため三軒茶屋へ行く。 と、劇場に入って驚いてしまった。 20歳代の女性客が8割近くを占めている。 思わずチケットを確認してしまった。 そこから先日観た「少女仮面」の客の多くが高齢者だったことを思い出す。
食う・愛する・産む・排泄する・・。 人間の生きる土台があからさまに舞台にのせられる。 そういう時代があったのだと思い起こさせる。 排泄の成果物まで客席へ投げつけてくる。
戦中戦後世界を詰め込んだ2作品だ。 戦後貧困のなかで女性が子供を産む苦悩、混乱の満州で中国人朝鮮人そして日本人たちの生存への剥き出しな欲望、これらを唐十郎的ロマンで包みシュールに仕立て上げて舞台に現前させていく。
ストーリーが激しく飛ぶので流れに身を任せるしかない。 しかも関西弁だ。 そして唐十郎のテンポは速い。 リズムが合い、初期作品のエキスに出会えた感触を持てた。 演出家の力も大きい。 珍しい作品を舞台にのせてくれた関係者に感謝したい。
ところで今日の客は舞台上からの応答がとても上手かった。 贔屓筋かな? 不思議な客層だった。
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