■蝶々夫人

■作曲:G・プッチーニ,指揮:スペランツァ・スカップッチ,演出:ロバート・ウィルソン,出演:エレオノーラ・ブラット,ステファン・ポップ,オード・エクストレモ他,管弦楽:パリ・オペラ座管弦楽団&合唱団
■TOHOシネマズ日本橋,2025.9.12-(オペラ・バスティーユ,2024.9.30収録)
■ロバート・ウィルソンの訃報を知った。 彼の舞台はいつも気にしていた。 でも多くは舞台に接することができない。 「浜辺のアインシュタイン」は1992年10月に天王洲アートスフィアで観ている。 他に記憶に残るのは「ハムレット」(1994年4月、静岡芸術劇場)、「ヴォイツェク」(2003年9月、東京国際フォーラム)かな。 10月公演「Mary Said What She Said」に来日を予定していたらしい。 叶わなくなってしまい残念だ。
今回の「蝶々夫人」はスケジュール外の出会いだったので嬉しい。 時間を割いて観に行く。 舞台はなにも無い空間、歌手は彫像のように(余分に)動かない。 衣装もシンプルで古代ギリシャ風?だ。 この抽象化が「蝶々夫人」に合う。 日本文化を翻訳しないからだ。 子供の使い方も巧い。 しかし舞台空間が広すぎる。 間が抜けたようだ、生舞台を観ないと何とも言えないが。
蝶々役エレオノーラ・ブラットもピンカートン役ステファン・ポップも無機質な演技だが、歌唱が加わると有機的世界へ導いてくれる。 たとえ抽象化が激しくても、近代日本の女性の生き方が迫ってきて涙を誘う。 同時にロバート・ウィルソンの舞台を久しぶりに楽しんだ。
*パリ・オペラ座inシネマ2025作品
*「ブログ検索🔍」に入れる語句は、ロバート・ウィルソン ・・検索結果は4ブログ.