■能楽堂九月「雷」「善知鳥」

*国立能楽堂九月定例公演の□2舞台を観る.
□狂言・和泉流・雷■出演:高澤祐介,前田晃一ほか
□能・観世流・善知鳥■出演:片山九郎右衛門,安藤貴康,福王茂十郎ほか
■国立能楽堂,2024.9.4
■「雷(かみなり)」が登場して奇声を発し飛び回る。 その声は雷の光と音を表している。 驚きの演技と言ってよい。 後半に地謡も入り楽しさは倍増する。 さすがカミナリ!
「善知鳥(うとう)」は猟師が背負う殺生の罪や母子の絆を描く。 比較強調のため子方も登場する。 反して本能としての狩猟の醍醐味も演じる。 狩りをする緊迫感が伝わってくる。 この相対する三つが溶け合い深みのある舞台が出現した。 同じ生き物としての人間の悲哀が出ていた。 シテ面は「三光尉」から「痩男」へ、ツレは「深井」。