■球体の球体
■脚本・演出・美術:池田亮,出演:新原泰佑,小栗基裕,前原瑞樹,相島一之
■シアタートラム,2024.9.14-29
■劇場に入ると観客は舞台に上りアート作品「Sphere of Sphere」を鑑賞します。 舞台美術をプレ見学するのは初めてかもしれない。
不思議な舞台で戸惑いました。 スタンチオンを動かしたり、神殿様式の柱を切り取ったりする。 美術を展開する流れですね。
役者4人もその展開に沿っている。 主人公本島幸司のダンスも、またホログラフィーで過去を再現・早送り・早戻しする役者の動きもです。 煙草の替わりのシャボン玉も、そして衣装や装身具にもそれを見ることができる。 <美術>を観客に意識させている。
しかもストーリーが変わっている。 パイプカットや精子バンクが何度も聞かれる。 子供を産むか産まないかを日常活動として決める。 もう一つ、大統領に就任するか否かもです。 生命科学と全体主義が融合した近未来を表現しているのは確かでしょう。 全体主義の中の自由を語るがここは深堀しない。
深刻なテーマが見え隠れするが美術で包み込まれる。 面白い舞台でした。 客席は8割が女性、それも青春を卒業した年代が多い。 贔屓筋かもしれないが普段では見慣れない客層でした。