■モリコーネ、映画が恋した音楽家

■監督:ジュゼッペ・トルナトーレ,出演:エンニオ・モリコーネ,B・ベルトリッチ,C・イーストウッド,Q・タランティーノ他
■配信,(イタリア,2021年作)
■面白いドキュメンタリー映画だった。 2時間強は長くない。 エンニオ自身のインタビューが8割を占めていた為もある。 本人の言葉は強い。 彼の思いが伝わってくる。 音楽院時代の1950年頃から2010年代前半迄を描いている。 映画監督のインタビューも多く入っている。 J・S・バッハ一辺倒からエンニオを受け入れたP・P・パゾリーニ監督、現場でエンニオの音楽を流しながら撮影したS・レオーネ監督等々のウラ話は映画好きにはたまらない。
映画音楽というジャンルを高めた彼の功績は大きい。 同時に映画を支配しようとする戦略も感じる、たとえ言葉にしなくても。
エンニオが受け持った映画は50本近く観ている。 衝撃(感動)を受けた3本は「アルジェの戦い」(G・ポンテコルヴォ)、「ソドムの市」(P・P・パゾリーニ)、「1900年」(B・ベルトリッチ)。 すべて観後に音楽担当を知った。 映画音楽は美術や照明と同じ位置づけと考えている、エンニオとは意見が違うが。 映画音楽とは何か? 彼は映画の大事なものを壊しもした(と思う)。