■糸井版・摂州合邦辻

■演出:糸井幸之介,出演:内田慈,土屋神葉,谷山知宏ほか,劇団:木ノ下歌舞伎
■神奈川芸術劇場・大ホール,2023.5.26-6.4
■初めて観る作品です。 会場で配られた資料が役に立ちました。 キーワードと称する<癩病><天王寺><日想観>が<俊徳丸>と彼の<空間>と<時間>に対応している。 開幕前にざっと目を通したので、この3ワードで動いていくのが分かりました。
舞台は大阪の匂いが強い。 江戸時代の口語と大阪弁が入り混じっているように聴こえる。 しかも玉手御前役内田慈がアンミカにそっくりな場面が! 大阪は未知の楽しさで一杯ですね。
歌唱「人の声」で幕が開き「街の墓」で閉じる。 どれも楽しい歌詞が続く全6曲です。 しかし歌詞が物語を演じているので芝居と競合した感がある。 どちらも主役にしたので相乗効果と相殺効果が共に出てしまった?
途中、俊徳丸と玉手御前の子供時代に戻る場面が入ったことや、歌唱「バウワウソング」「パパっ子」の心情歌で二人の人生が深くなった。 しかし義理母と血の繋がりのない息子との恋慕は難しい関係ですね。 しかも片思いで盛り上がらない。 歌舞伎作品を現代版に移すときは解説的になってしまうことがよくある。 この困難を巧く避けていました。
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