■トランジット

■振付:テロ・サーリネン,音楽:セバスチャン・ファーゲルルンド,トゥオマス・ノルヴィオ,舞団:テロ・サーリネン・カンパニー
■NHK・配信,2023.5.21-(ヘルシンキ・メリカーペリホール,2022.8.19-21収録)
■「・・破滅を目前にした人間に希望はあるのか」。 物騒な解説が書いてある。 解説がなくても舞台はそのように見える振付です。 十数名のダンサーは這いつくばり蠢く。 舞踏風な動きもある。 スポットライトで強調もする。 継ぎ接ぎのある白衣装はアジア的です。 音楽も振動を強調している。
ダンサーたちの動きは力強い。 近未来的で加速度的です。 苦しみや恐れの表情は薄い。 複雑な振付ではない。 感情を抽象化したところはあるが踊り易いと思う。 後半、黒の背景から白になると、緩やかな動きに変調する。 歩く姿もスローモーションです。 そしてゆっくりと終幕に近づく。 人間は救われたのか?
物語がダンサーたちを通り抜けていくような舞台でした。 身体で物語を紡ぐのが舞台芸術ですがこの作品は少し違う。 風のように抜けていくサッパリ感がある。 サーリネンはよく知らないが、なかなかの振付家とみました。
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