■パルジファル

■作曲:R・ワーグナー,指揮:セバスティアン・ヴァイグレ,演出:宮本亜門,出演:清水勇麿,清水宏樹,山下浩司ほか,合唱:二期会合唱団,演奏:読売日本交響楽団
■東京文化会館・大ホール,2022.7.13-17
■この作品は「インディージョーンズ」や「猿の惑星」そして「マトリックス」を思い出しながらいつも観てしまう。 今回は「2001年宇宙の旅」や「ゲド戦記」まで広がってしまった。 でも聖杯や指輪、己自身を探し求めるのはワーグナーが元祖だからしょうがない。 魔法使いクリングゾルを倒す2幕まではグイグイ引き込まれてしまった、これもいつもの通り。 3幕は形式的な宗教色でカッタルイけどね。 
宮本亜門の演出は楽しい。 なんと現代の美術館が舞台なの。 絵画や彫刻が物語に入り込む仕組みになっている。 「キリスト磔刑」が数十枚もぶら下がっていたがもっと分散させるのが面白いとおもう。 それでもワーグナーは強い。 風変わりな演出背景でもワーグナーは気にしない気にならない。 そしてパルジファル役伊藤達人のテノールが若々しい。 クンドリの橋爪ゆかを含め主要歌手は役割を十二分に発揮していたと思う。 今回は特にクンドリの立ち位置について色々と考えさせられたわ。
公演は5時間。 ワーグナーは集中力を最大に持っていくから疲れない。 しかも観た後もハイな状態がづっと続くからよ。
*二期会創立70周年記念公演
*フランス国立ラン歌劇場共同制作公演