■能楽堂七月「とちはくれ」「百万」

*国立能楽堂七月普及公演の下記□2作品を観る。
□狂言・和泉流・とちはくれ■出演:小笠原由祠,野村万蔵,野村万之丞
□能・宝生流・百万■出演:大坪喜美雄,村山弘,野村万緑ほか
■国立能楽堂,2022.7.9
■竹本幹夫のプレトーク「百万と物狂」を聴く。 「百万」の作品構造を面白く解説していた。 当時の清凉寺の位置付や大念仏の状況、関連する能作品や和歌を引用して世阿弥の創作過程を想像しながら組み立てるので興味が尽きない。
能楽堂の席は正面、中正面、脇正面の3つに分かれる。 近頃は役者の遠近感が強い脇正面で番号の高い席を選ぶのだが「百万」には合わない。 舞は多いのだが平面的な印象が強いため正面席が良いはず。 しかもシテと地謡の対話が多いので緊張感を持続させないと捨てられてしまう。 くたびれる舞台だった。
「とちはぐれ」はことわざ「貧僧の重ね斎」の舞台化らしい。 僧も食っていくのに必死だ。
帰りの北参道駅ちかくで空を見上げると旅客機が高度を下げて羽田に向かっていくのがみえる。 新飛行経路の直下に当たっている為だ。 マチネーが終わるこの時刻には数分に1機は飛んでくる。 明治通りの騒音と同じくらいか? 住民にとっては何とも言えない微妙な音だろう。