■観世会2月「二人静」「土筆」「野守」

*観世会定期能2月公演の下記□4作品を観る。
□能・二人静■出演:寺井栄,武田宗典,工藤和哉ほか
□狂言・土筆■出演:山本泰太郎,山本則孝
□仕舞・弓八幡,笹之段,須磨源氏■出演:津田和忠,観世清和,関根知孝ほか
□能・野守■坂井音隆,殿田謙吉,山本凛太郎ほか
■観世能楽堂,2022.2.6
■はじめの「二人静」から心地よい気分に入っていけない。 音響のせいかもしれない。 前方の席位置が悪かったかな? 大鼓が始終、序の舞では笛が増幅されている感じだ。 囃子が謡や舞を除けているようになる。 囃子のない狂言では声が強すぎる。 音が逃げないで籠もってしまうためかな? 「野守」は激しい表現があるため打ち消していたが。
場内は正面席が厚くて脇正面が薄い。 つまり長方形空間のため一方の距離が短く、しかも壁板の1枚1枚が下に傾いていて客席に音が集中するようになっている。 音の逃げ場が無い? などなど幾つかの要因が考えられる。
声や音が<やってこない>そして<去っていかない>のだ。 「・・やってきて、去っていく」のは演者だけではなく声や音の条件と言える。 そして長方形より正方形空間が落ち着ける音響になる。 ここはエンタメ(=実用)を意識して設計された能楽堂にみえる。
今回は能を観る喜びがやってこなかった。 次回は席を後方に変えようとおもう。