■さまよえるオランダ人

■作曲:R・ワーグナー,指揮:ガエタノ・デスピノーサ,演出:M・V・シュテークマン,出演:河野鉄平,田崎尚美,妻屋秀和ほか,演奏:東京交響楽団
■新国立劇場・オペラパレス,2022.1.26-2.6
■序曲を聴くと身震いがしてくる。 しかも展開が劇的でそのまま終幕まで釘付けになってしまった。 過去公演と同じ演出家だが何度観ても飽きないわね。
コロナ禍で指揮者や歌手が来日できず日本人歌手以外は総入れ替えになってしまった。 しかも当日、マリー役も急遽交代になり二人一役(歌唱と演技を別々に受け持つこと)にして乗り切ったの。 でも心配は無用だった。 オランダ人もゼンダそしてエリックも心力が籠もった歌唱で見事に役をこなしていた。 この状況下で歌手との一体感をより求めた為か演奏はとても分かりやすかった。 それが劇場空間の広さを感じさせない音質を作り出したとおもう。
ところでゼンダがオランダ人と初めて対面する場面で喜びの表情を浮かべていたが頂けない。 ここは喜怒哀楽を越えた表情にしてほしい。 演出家ノートを後日読むと「・・神話的人物像を・・人間の側へと引っ張りたい」。 つまり演出だったと言うことね。 なるほど。 そして今年初めてのワーグナーを観てやっと調子がでてきたかな? うん。
*NNTTオペラ2021シーズン作品
*「ブログ検索」に入れる語句は、シュテークマン  ・・検索結果は3舞台