■フィガロの結婚

■作曲:W・A・モーツァルト,演出:宮本亜門,指揮:川瀬賢太郎,出演:与那城敬,高橋絵理,種谷典子,近藤圭,郷家暁子ほか,演奏:新日本フィルハーモニー交響楽団,合唱:二期会合唱団
■東京文化会館・大ホール,2022.2.9-13
■中止になった「影のない女」の代替公演が今日の舞台。 宮本亜門演出は観ていなかったので振替手続きをしたの。 客の入りは8割以上かしら?
正方形の大枠で形作ったシンプルな舞台構成は演出家の意見も取り入れたようにみえる。 床は道具類が少なくて歌手に負担をかけない。 大枠が移動したり連なる鳥居のように変形していくのはお見事。
日常の行動を次から次へと目まぐるしく展開していくオペラも珍しい。 その内訳は恋愛の駆け引きでいっぱい。 モーツァルトの頭脳の回転速度がそのまま伝わって来るということね。 毛並の良さが揃った歌手たちもこの流れに遅れることが無い。 観て良し聴いて良しの舞台だった。
2月に入って3本目のオペラ観賞だけど、この劇場は人間世界から声が届くように聴こえる。 新国立劇場の異世界から声が届くのとは違うわね。 このため新国立劇場は非日常を描くオペラが似合う。 フィガロはもちろん東京文化会館が合うと思う。 いろいろな劇場が揃っている、これが舞台ファンからの条件かな?