■蹠の剃刀 あしうらのかみそり

■作・演出・出演:工藤丈輝,音楽:曽我傑,美術:黒川通利
■座高円寺,2022.1.12-16
■舞踏家は独自の動きや形を持っているが、工藤丈輝にはそれが無い(ようにみえる)。 全身が読んで字の如く河原乞食です。 これが型かもしれない。 今回は音楽と美術のコラボが効いていた。 聴覚・視覚・触覚=音楽・美術・身体が共鳴して躍動感が舞台から伝わってきました。 型を見せない身体は容易にシンクロできるのかもしれない?
全12章で組み立てられた作品だが、章を追うごとに異形に驚きながら、日常から離陸していき非日常に入り込むことができました。 黒で始まった衣装変化も身体に馴染んでいましたね。 途中、顔を覆っていた黒布を外した時の凄みの表情もいい。 頭髪の先まで突っ張っていた。
10章前後で拍手をした観客が少なからずいたが「いや、これは終わりではない」? 等身大のパペットと踊る「屍のソシアルダンス」、光り輝く大円盤を背景に踊る「東西胎夢」、そして蜘蛛の巣まみれになるフィニッシュはいただけない。 もっとスマートに終幕へ持っていけたら後味が良かったはず、そして観客は拍手をより集中できたはずです。 総合力の強さが感じられる舞踏でした。
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