■九十九龍城

■作・演出:上田誠,出演:石田剛太,酒井善史,角田貴史ほか,劇団:ヨーロッパ企画
■本多劇場,2022.1.7-23
■香港へ行けば必ず面白いことがある! 右側窓席に座って街を横に見ながら啓徳空港に降りていく時のドキドキ感は忘れない。 九龍城砦は行ったことが無いが<香港>を魔界にするランドマークでした。 でも今は香港への興味が遠のいている。 中国に飲み込まれつつ有るからです。 数ある都市の一つになってしまいそうですね。
舞台美術は苦心しているのが分かります。 ビルを外から描いているが透視技術を使ってビル内を望遠鏡で覗き見できる仕掛けになっている。 ビルの壁が動き部屋の中が見える!? それは豚肉処理、スマホ組立、雀荘、キャバレーでどれもイカガワシさに溢れている。 でも主人公らしき刑事二人が遠くから見ているだけではツマラナイ。 そこで彼らが途中から魔窟に潜入する・・。
演出家が得意とする繰返しや併合、再帰を駆使している。 それが思いもかけない展開の架け橋をしていた! 彼らがRPG(ロール・プレイング・ゲーム)世界の住人だったとは・・。 マトリックス以来、使い古した手ですが気にならない。 物語構造がプログラム構造と相似の為です。 その気配が最初から舞台に充満していた。 この巧さがチケット販売を抽選にできたパワーでしょう。 さすがです。 唯一残念なところは、ゲーム世界から戻る劇中劇が無かったところですか?
*ヨーロッパ企画第40回公演
*「ブログ検索」に入れる語句は、上田誠  ・・検索結果は3舞台。