■ワーグナーの夢、メトロポリタン・オペラの挑戦

■監督:スーザン・フロムスキー,出演:ロベール・ルパージュ,デボラ・ヴォイド,ハンター・モリス他
■MIRAIL・配信,2021.9.3-27(アメリカ,2012年作)
■ワーグナーのドキュメンタリーを続けてもう1本みることにしたの。 それは2010年にMETで上演されたロベール・ルパージュ演出の「指輪」制作過程を撮ったドキュメンタリー作品。 副題は「ニーベルングの指輪の舞台裏」。 もちろん当ブログに感想は載せているわよ。
当時のMETは動員数が減少していた。 しかも数十年にわたり舞台は変化してこなかった。 ワーグナーも1876年のバイロイト初演を認めていない。 ここで歌劇場の発展とワーグナーの夢を叶えるためルパージュが登場したということね。
今回は数十枚の板を串刺にしてグルグル回転する床が大きな話題かな。 重量は40トンもある。 ルパージュは北欧神話「エッダ」と地殻変動を繰り返すアイスランドをイメージしてこの舞台を作ったらしい。
でも本番までの道のりは大変、見ていてそう思った。 METマネジャーのピーター・ゲブルは「守りに入ったら(失敗したら)、国外に去る」とまで言っている。
「ラインの黄金」初日は(危険なので歌手の替りに)スタントマンがヴァルハラへ神々として入城するところが機械の故障でできない。 「ワルキューレ」ではブリュンヒルデが転んでしまう。 「ジークフリート」から指揮者が都合で交代、しかも本番4日前に主役も交代。 「神々の黄昏」は機械も正常稼働し問題なく幕が下りる。 (過去のことだけど)公演が無事に終わりホッとしたわよ。 
この作品は映画館で観たが制作過程をみると生舞台でもう一度観たくなってしまった。
*METライブビューイング、https://www.shochiku.co.jp/met/news/3690/
*「ブログ検索」に入れる語句は、 ルパージュ