■さまよえるオランダ人  ■ワーグナー信仰、バイロイトから世界へ

□さまよえるオランダ人
■作曲:R・ワーグナー,演出:ドミートリ・チェルニャコフ,指揮:オクサーナ・リーニフ,出演:ジョン・ルンドグレン,アスミク・グリゴリアン他,管弦楽:バイロイト祝祭管弦楽団・合唱団
■NHK・配信,2021.9.12-17(バイロイト祝祭劇場,2021.7.25収録)
■・・海も船もみえない無機質で小綺麗な街の、それは酒場であり広場でオランダ人船長は彷徨い続ける・・。
バイロイト得意の新解釈にはいつも戸惑ってしまう。 首吊りの光景は序幕からまさかの驚きね。 「・・母を死に追いやった男と社会に、復讐を果たす為に帰還した」と説明があった。 縊死した女は船長の母かも。 二幕の集会場で彼は銃を抜いて街の人を撃ってしまう。 そして三幕、街中に火の手が上がるなか(ゼンダの母)マリーはオランダ人を撃ち殺して幕が下がる。 ・・!
「さまよえるオランダ人」の伝説を皆が信じ込んでいる、特にゼンダはね。 ゼンダの恋人エリックもゼンダがオランダ人と去る夢をみる。 未来はすべて決められているの。 この舞台はマリーだけがまともな夢を見ていたということかしら? 4人の会食場面でもそれが分かった。 うーん、でも混乱する。
カーテンコールではゼンダへの拍手が大きかった。 次がエリックかな。 拍手の量と質で評価が分かるの。 船長は少し拍手が弱かった。 演出家が登場した時はブーイングが混じっていたわね。
演出の評価は分かれるとおもう。 ワーグナーの時空は突破できたけど着地は大きく揺れていたからよ。 現代社会に繋がる問題を感じさせたのは面白かったけど。 それでも、ワーグナーは転んでもワーグナー、を証明した舞台だった。
□ワーグナー信仰,バイロイトから世界へ
■NHK・配信,2021.9.13-17(ドイツ,2021作成)
■世界のワーグナーファンを訪ね歩く旅なの。 先ずはヴェネツィアへ。 彼はこの地で客死している。 次にバイロイトへ。 ここで曾孫カタリーナ・ワーグナーが登場。 そして米国ニューアークへ。 ここから音楽評論家(名前は忘れた?)がナビゲーターになる。 スターウォーズもロード・オブ・ザ・リングもマトリックスもワーグナーを思い出させる。 ロシアへ。 メイエルホリドもエイゼンシュタインもワーグナーを意識していた。 ケーニスベルクへ。 ついにはイスラエルへ。 政治的にもいろいろあるわね。 アラブへ。 オペラとは相性が良い? そして日本へ。 さいごに音楽祭でのメルケル首相を映しておしまい。 途中、バイロイトの演出家たちが登場し制作過程を挟み込む。 世界125カ国にあるワーグナー協会の支援は大きい。