■村のドン・キホーテ

■演出:田中泯,松岡正剛,出演:田中泯,石原淋ほか,チェロ演奏:四家卯大ほか
■東京芸術劇場.プレイハウス,2020.12.4-6
■松岡正剛とのコラボらしい?、これは観に行くしかない! ・・舞台は木柱の家が建ち張りぼて馬が歩き回り張りぼて飛行機が飛ぶ。 赤や白の布を上手に使って嫌味の無いスッキリした美術だ。
久しぶりにみる踊りは親しみ易くなっている。 静かに横たわる身体は乾いた存在感が出ていた。 その後の動きある振付はドン・キホーテを重ねるせいか緊張が薄れていく。 呼吸と動きが一致していて雑念を感じさせない。 ステップを踏む場面は気持ちがいい。
ダンサー石原淋に科白はあるが少ない。 言語演出松岡正剛とチラシにあったので台詞はもっと饒舌になるのかと思っていた。 気が抜けてしまった。 でも、これで良い。 演出家二人の写真が並べられていたが、似ている。 ヒゲもそっくりで兄弟のようだ。 「互いに三十歳をすぎたとき、意気投合した。 以来、ずっと・・」。 似るのも無理はない。
2年前、この劇場で観た「・・形の冒険」以来である。 時間を解き放ったと書いたがそれは過去、今日の舞台は未来を解き放ったと言ってよい。 感動は少なかったが身体が軽くなった。
カーテンコールの挨拶では山梨や師匠(土方巽)を語る。 途中チェロ演奏が入ったが強すぎてダンスを越えてしまった。 タイミングは休憩前奏曲? そして、張りぼて馬がとてもよく出来ていた。 おたふく面も日常性を上手に消していた。