■プライベート・ジョーク

■作・演出:野木萌葱,出演:井内勇希,植村宏司,小野ゆたか,加藤敦,西原誠吾
■東京芸術劇場.シアターイースト,2020.12.4-13
■舞台は近頃の美術系大学の学生寮らしい。 特別講義にノーベル賞受賞者が招かれている!?。 ・・場所は日本ではないようです。 検閲の話題で時代も今ではないことがわかってくる。 後半になり闘牛場へ行くことで場所はスペインで決まりです。
ドイツ人らしき物理学者はアインシュタインかな・・? そして有名画家はピカソ! では映画作家は?詩人は?そしてもう一人の若い画家は誰でしょう? 彼らの作品名が一つも登場しないので分からない。 「ゲルニカ」らしき話は後半に登場しますが。 
深刻な時代のようですが、そうみえない。 どこか学生演劇のようなシンプルなリズムを持っている。 これが深刻さを抑えている。 時間の進みが不規則で可逆なところもある。
演出家が「思わずに」書いた作品だと言っていますね。 このリズムが「思わずに」書いた成果でしょう。 学生寮という場所で再会する再会群像劇です。 自ずと青春群像に変わっていく。
劇団主催者でもある詩人は最期に死刑になってしまう。 演出家は詩人と自身を重ねたのかもしれない。 「この作品を最後に劇団化へ踏み切る・・」。 詩人を引き継いだのですね。 登場人物の歴史上の名前は最期まで分からなかった。 そしてタイトルも謎のままです。
*パラドックス定数第46項
*2020.12.14追記・・不明の3人が分かりました。 詩人はガルシア・ロルカ、映画作家はルイス・ブニュエル、画家はサルバドール・ダリのようです。