■アグリッピーナ

■作曲:G.F.ヘンデル,演出:デイヴィッド.マクヴィカー,指揮:ハリー・ビケット,出演:ジョイス.ディドナート ,ケイト.リンジー,イェスティンデイヴィーズ他
■新宿ピカデリー,2020.7.3-9(MET,2020.2.29収録)
■今年も後半に入りやっとヘンデルに会えた。 「ジェリオ・チューザレ」「シッラ」が中止になってしまったからよ。 ヘンデルはいつも心をウキウキさせてくれる。
テーマは権力か愛か!? 皇妃アグリッピーナの陰謀が絶え間なく続くストーリーなの。 その悪巧みの裏には愛というより性がチラつくからとてもリアルにみえる。 このリアルが権力とは何かを語っている。 「(だから)権力を追求するのは難しい」。 演出家マクヴィカーの言葉よ。 その権力大好きなアグリッピーナと(純粋)愛を求める軍人オットーネの対決は皇帝クラウディオの計らいで丸く治まり幕が下りる。
オットーネがコントラルト(ここではカウンターテナー)なのは唯一純愛だからかな? カストラートのネローネをズボン役にしたのでオットーネが目立たなくなってしまった。 ソプラノのポッペアも同じかも。 しかもネローネの演技が派手だった、見ていて楽しかったけどね。 
マクヴィカーは「ジュリアス・シーザー」を踏み台にして今回の作品を総合芸術として一層磨きをかけたと思う。 至福の4時間だった。
*METライブビューイング2019作品