■夏の夜の夢

■作:W.シェイクスピア,演出:ニコラス.ハイトナー,出演:オリヴァー.クリス,グェンドリン.クリスティー,デヴィット.ムースト他
■シネリーブル池袋,2020.7.10-(ブリッジ.シアター,2019年収録)
■観客を入れた賑やかな舞台になっています。 役者たちのエアリアル・シルクで賑やかさが空間にも広がっていく。 そして四季風景や動植物の名前が続くリズミカルな科白が心地よい。 シェイクスピアを意識させてくれます。
ベッドを使った多義的な解釈が愉快です。 繰り出す劇中劇が時空を歪めていく。 眩暈を感じる舞台です。 「ピーター・ブルックへのオマージュ・・」と演出家が語っているだけのことはありますね。
職人芝居も次元戻しの異化を狙って面白い。 でも終幕の芝居はその効果が仇になったようです。 それまでの夢の世界を異化が壊してしまった。 終わりはサラッといきたい。
この作品は性別を強く意識します。 花汁の媚薬が性と愛を非連続にしているからです。 非連続性は現代社会のテーマの一つでしょう。 現代生物学にも繋がっていると言ったらシェイクスピアもビックリですか。 楽しい舞台でした。
*NTLナショナル・シアター・ライヴ2020作品