■フィレンツェの悲劇  ■ジャンニ・スキッキ

■指揮:沼尻竜典,演出:粟國淳,演奏:東京フィルハーモニー交響楽団
■新国立劇場.オペラパレス,2019.4.7-17
□フィレンツェの悲劇
■作:オスカー.ワイルド,曲:アレクサンダー.ツェムリンスキー,出演:ヴゼヴォロド.グリヴノフ,セルゲイ.レイフェルクス,齋藤純子
■WEBにインタビュや対訳が載っていたけど写真と動画だけは見ないで劇場に行ったの。 ゥーン、想像していたとは違う舞台感触だった。 演奏優位の為か歌唱が隠れてしまい集中力が思った以上に必要ね。 屋敷の庭のような美術で視覚が拡散され3人の関係を濃密に保てない。 それは声にも言える。 力ある発声が必要よ。 3人の動きはとても考えられ広い舞台をまとめていたけど・・。 演出家の苦労の跡が伺える。 毛織物商売の話がイタリアに近づけさせてくれたけどそこまで。 ドイツ語の重たさも一因かな。 この作品はワーグナーとは違った意味での劇的さを作れると思う。 でもそれは不発だった。 芝居にして観たくなる作品だわ。
□ジェンニ.スキッキ
■作:ダンテ.アリギエーリ,曲:ジャコモ.プッチーニ,出演:カルロス.アルバレス,砂川涼子,寺谷千枝子ほか
■「借りぐらしのアリエッティ」を先ずは思い出してしまった。 拡大した小道具が楽しい。 でも傾いた舞台では歌手たちの動きがぎこちなくてハラハラする。 歌詞に地名が多いからフィレンツェの風景が広がっていくのを肌で感じられる。
この「喜劇」を観た後には1作目の「悲劇」の重みが増すのを意識できた。 取り合わせの妙と言ってよい。 フィレンツェの裏通りを歩いてきたような後味があるわね。
*NNTTオペラ2018シーズン作品