■リチャード三世

■作:W.シェイクスピア,演出:王暁鷹,出演:張晧越,涂松岩,張鑫ほか,劇団:中国国家話劇院
■東京芸術劇場.プレイハウス,2019.4.5-7
■「理査三世」と書くらしい。 舞台は完璧と言ってよい。 俳優は貫禄だろうか? その余裕が漂っている。 中国伝統演劇が染み込んでいると言ってよい。 その表面を現代劇でコーティングしている感じだ。 衣装も物語に馴染み、美術とパーカッション演奏は簡素で筋が通っている。
張晧越は安定度抜群だがリチャードとして何を心に貯めているのか伝わってこない。 演劇的感動は少ないが史劇的叙事詩としての納得感は持てる。 話劇院の様式から来る一つの完成した姿=形かもしれない。 そして京劇院から招聘した張鑫をアンやエドワード王子に配し韻白を響かせたのは「聴く喜び」、同じく刺客二人の武戯は「観る喜び」だろう。
英語読みの箇所を隠したら中国史から生まれた物語のように良く出来ている。 演出家王暁鷹が言っている。 「東方世界の表現形式で上演するのはシェイクスピアの楽しみを共に分かち合うこと・・」だと。 その通りの舞台であった。
*東アジア文化都市2019豊島スペシャル事業
*劇場サイト、http://www.geigeki.jp/performance/theater204/
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