■ジュリアス・シーザー

■作:W.シェイクスピア,演出:ニコラス.ハイトナー,出演:ベン.ウィショー,ミシェル.フェアリー,デヴィット.モリッシー,デヴィット.コールダー他
■TOHOシネマズ日本橋,2018.12.1-7(ブリッジ.シアター,2018年収録)
■舞台上にロックコンサート会場を設けエキストラの観客を周りに配置して始まるの。 コンサート会場は広場になり戦場に変わっていく。 その観客は群衆にもなりそのまま終幕まで舞台上に居座る。 劇中劇ではなくて観客まで含めた舞台中舞台と言えるわね。
群衆に囲まれる赤い野球帽を被りジャンバー姿のシーザーはアメリカ大統領選のトランプ候補と重なる。 役者達の演技は申し分なし。 でもブルータスもアントニーも納得できる演説には聞こえなかった。 しかもブルータスがマイクで喋るのは最悪、途中からアントニーまでも。 ここは生の声で説得されたい。 戦場も凝っているけど新鮮味は期限切れよ。 ナショナル・シアターのシェイクスピアの戦い場面は現代の軍隊軍人を登場し過ぎる。 意図は分かるけど、今回は肝心な場面が心に伝わってこなかった。
ブリッジ・シアターの劇場としての良さはわかったわ。 「コアな観客にエッジの効いた芝居はやらない!」と演出家は前回に言っていたが、その通りにして自滅してしまった舞台にみえる。
*NTLナショナル.シアター.ライブ作品
*作品サイト、https://www.ntlive.jp/juliuscaesar