■灰から灰へ

■作:ハロルド.ピンター,演出:長野和文,出演:稲川実加,平澤瑤,劇団:池の下
■アトリエ第七秘密基地,2018.12.14-16
■舞台は中央に鏡、左右に椅子がシンメトリーに置いてある。 男と女は椅子に座ったり凭れ掛かったり周りを歩き回り・・、女は二三度鏡に向かう。 美術も衣装も平凡だがスキ無く練られています。
男は女が付き合っていた男のことを聞き出そうとする。 女は以前の男に「握り拳にキスをしてくれと言われた・・」と。 しかし女の話は事実なのか夢の中の出来事だったのかよく分からない。 「ハメルーンの笛吹き男」や「ベツレヘムの幼児虐殺」に似た話もするからです。 男は持て余し気味に理屈でやり返す。 その不自然な対話は終幕まで続いていきます。 男と女は夫婦に近い間柄のようですが喜怒哀楽が見えない。 ついに男は握り拳をつくりキスをしてくれと女に言って幕が下りる。 ・・。
密室での不可思議な科白だけに役者二人の力量が全てでしょう。 どれだけ観客に想像力を与えられるか? 間の取り方や声の抑制などで面白さが変化する作品ですね。 二人の間に現れる肌理の滑らかさが有ればより膨らんだように思います。
*池の下第26回公演海外作品
*CoRichサイト、https://stage.corich.jp/stage/95558
*「このブログを検索」語句、 ピンター