■ハングメン Hangmen

■作:マーティン・マクドナ*1,演出:マシュ・ダンスタ,出演:デヴィト・モリシ,アンディ・ナイマン,ジョニ・フリン
■TOHOシネマズ日本橋,2017.4.14-20(ウィンダム・シアタ,2015年収録)
■死刑執行人を一般市民に担当させるとは驚きです。 元執行人である主人公はパブの経営をしている。 20世紀中頃の英国地方が舞台です。
死刑執行場面から始まるのですが、その後に続く日常でのパブ店主と客たちの噂話が面白い。 主人の妻と娘も加わるが洗練さに無縁な地方のオバサンとムスメを演じます。 北部や南部を貶すことやビールの好き嫌いなどを聞いていると英国の素顔がみえてきます。 またシャイやユーモアの言葉の遣り取りも流石イギリスです。 大戦の話からドイツ野郎へ、フランス人の祈りの行動、モンゴメリ元帥からニーチェ、キェルケゴールまで話題に上る。 死刑執行時代の店主のインタビュー記事も当時の噂の質を見ることができる。
後半は誘拐殺人犯と間違えて青年を絞首刑にしてしまう。 いかにも芝居に戻った流れになってしまった。 60年代英国片田舎のパブを覗いてきたような楽しさが残ります。
*1、「スポーケンの左手」(小川絵梨子演出,2015年)
*NTLナショナル・シアター・ライヴ作品
*映画comサイト、https://eiga.com/movie/86629/