■オテロ Otello

■作:G・ヴェルディ,指揮:P・カリニャーニ,演出:M・マルトーネ,出演:C・ヴェントレ,S・ファルノッキア,演奏:東京フィルハーモニ交響楽団
■新国立劇場・オペラパレス,2017.4.9-22
■この作品は出来栄えに左右されない。 いつも感動するの。 嫉妬を極限までに煮詰めているからよ。 この舞台は身体より歌詞からくる嫉妬が強い。 オテロの化粧が濃くて繊細な表情がみえないためもある。 ロボットのようなオテロだわ。 歌唱も嫉妬の濁りがない。 逆に彼の苦しみが現れていたのは硬直な身体のお蔭かもしれない。 デズデーモナも淡々と熟していた。 両者の均衡から来る安定のある内容だった。
幕開き、客席後方からのオテロの登場は最高ね。 でも旗持ちがいなかったのは残念。 花火や火の使い方も言うことなし。 ただし水はコスパが悪い。 舞台中央に一軒家を置いたのは型破りで面白い。 舞台の面に小物を置くと集中し難くなるからやめて! ところで今日は客の入りが少なかったようね。
*NNTTオペラ2016シーズン作品
*劇場サイト、http://www.nntt.jac.go.jp/opera/performance/9_007960.html