■どぼん

■演出:中村しんじ,振付:川野眞子,出演:ナチュラルダンステアトル
■座高円寺,2017.3.31-4.1
■ダンステアトルを演劇舞踊と訳すらしいがストーリーのあるダンスに近い。 もちろん科白はない。 通勤途中のサラリーマンがホームから転落して別世界に行く話である。 そこは昭和時代の田園風景が広がっている(らしい)。
田圃の小川で鯉や鮒、蛙やザリガニと踊る楽しくそして少し怖い舞台である。 子供時代と生き物の良き関係を「・・なくしたものの後悔と未来に続ける営み」として表現していく。
振付は大袈裟だが若いダンサーたちに似合っている。 ダンステアトルらしい楽しい動きだ。 ジャワ島出身ダンサーのリアントの独特な表現がまた素晴らしい。 島の生活と踊りが融合・昇華し宗教的な域に達している。 アニメーションも使う。 ゆるキャラのような被り物を付けて小川の生き物を演ずるので子供も喜びそうな内容である。 居酒屋の赤提灯や魚の姿造りをみたら「千と千尋の神隠し」を思い出してしまった。 この舞踊団は「文化芸術による子どもの育成事業」も行っている。 当時の田圃や小川で遊んだ人にはノスタルジアを若い人には小動物と接する身体的想像力をダンスを通して与えてくれる作品だ。
*CoRich、https://stage.corich.jp/stage/82000