■レッドと黒の膨張する半球体

■作・演出:神里雄大、出演:岡崎藝術座
■にしすがも創造舎、2011.10.28-11.6
http://stage.corich.jp/img_stage/l/stage22578_1.jpg?1450478507
■初めて観る劇団である。 観客への作り笑いの連続、鼻くそいじり、オナラ、セックス、・・、どぎつさや名前から大阪の劇団か? 観劇後HPを見たらなんと違っていた。
最初は動きの激しい漫才というかコントを観ているようだ。 中学校体育館をそのまま使い、舞台に負けない日常の裏側にへばりついた言葉と動きで徐々にリズムに乗ってくる。 コントのような芝居は最後まで続く。 慣れてくるとどうでもいいことだが。
よくみると背景に大きな半円の黒幕、中央に一頭の牛肉?がぶら下がっている。 2032年、日本への移民は60%を超えてしまい家族の中にも国が混ざり合っている物語である。 世界人口70億突破のニュースを聞いたあとの現実味のある話だ。
この不安が芝居の根底にある。 英国でのオノ・ヨーコへの人種差別、食料難としての米国牛肉問題の登場も肯ける。 しかし芝居では解決できない。 だから宙ぶらりん状態の未来の生活をそのまま出すしかない。 迫力のある現実的なSF生活劇であった。