■ソウル市民昭和望郷編

■作・演出:平田オリザ,出演:青年団
■吉祥寺シアタ,2011.10.29-12.4
■3作の中で一番面白かった。 それは国性文芸界や関東大震災、大恐慌前の株式市場など政治・経済の話で時代を盛り上げていたから。 そしてこの語りに性格の強い米国帰りの袴田、京城大学出身の書生、精神疾患の長男真一が加わったから。
でも3作とも舞台の机の位置まで同じだから観終わったあとは混乱してきたわ。 オリザの芝居は物語が弱いし、舞台での言葉の微妙な調和と差異を身体化する感動だからこの混乱はしょうがないかも。
前2作と比べて日本人の切迫感が鈍くなっているのは歴史の激しい動きで判断処理がオーバーフローしてしまったのね。 もはや京城から出ていく時はスッカラカンになってからということ。 現代世界の姿と重ねあわせしまいそうだわ。
*劇団サイト、http://www.seinendan.org/play/date/2011?post_type=play