■能楽堂三月「口真似」「三山」
*国立能楽堂三月定例公演の□2舞台を観る.
□狂言・大蔵流・口真似■出演:善竹忠重,善竹忠亮,善竹十郎
□能・観世流・三山■出演:観世銕之丞,観世淳夫,宝生常三ほか
■国立能楽堂,2025.3.5
■口真似と言えば昨年末に「察化(さっか)」を観ている。 「口真似(くちまね)」も太郎冠者が主人の真似をする話だが冠者に諄さを感じる。 「・・主人の命を逆手にとり、口真似をする鸚鵡ではない自分を楽しむ」と解説にもあったが、冠者の行動が自己ループに陥り他者への広がりが見えないからだろう。
「三山(みつやま)」は一人の男と女二人の三角構造を持つ。 結局は一人が捨てられてしまう。 女たちの執念が凄まじい。 霊になっても現世に現れ互いに罵り合っている。 しかし最期は「後妻打ち(うわなりうち)」を果たし晴れて二人は消えていく。
能の一般型に準じた流れだが見処は女二人の争いと和解だろう。 ここは滅多に観ることができない。 劇的とは違った面白さがあった。 この作品は万葉集「香久山は畝傍ををしと耳梨と相あらそひき、神世よりかくにあるらし、・・、うつせみも嬬を争ふらしき」(天智天皇)を下敷きにしている。 面はシテが「曲見(しゃくみ)」、ツレが「小面」。