■能楽堂三月「八句連歌」「恋重荷」
*国立能楽堂三月普及公演の□2舞台を観る.
□狂言・大蔵流・八句連歌■出演:山本東次郎,山本凛太郎
□能・観世流・恋重荷■出演:観世恭秀,坂井音雅,福王茂十郎ほか
■国立能楽堂,2025.3.8
■「八句連歌(はちくれんが)」は借金の催促問答を連歌に込めた話である。 「連歌は中世最大の流行文芸」と解説にあったが当時の町民文化の質の高さが窺われる。 借手が連歌に長けていたので借金証文は破棄される。 これをみて借手は連歌と関係が深い天神信仰である菅原道真に感謝して終わる。
「恋重荷(こいのおもに)」は庭掃除の老人(シテ)が白河の女御(ツレ)に叶わぬ恋をする物語である。 シテ・ワキ・ツレ、それに地謡のバランスが良い。 全体の構成が整っている舞台だ。 切れ味がある動のシテと静のツレの対比も面白い。 老人の期待・不安・執念を描くのだがこれら感情表現が巧く抽象化できていた。
「阿古父尉(あこぶじょう)」から「重荷悪尉(おもにあくじょう)」へ面は替わるがどちらも恋から掛け離れている。 しかし違和感が無い。 感情を抽象化して昇華できた為である。 舞台芸術の醍醐味と言えるだろう。 ツレは「小面」。