■本棚より幾つか、ー短編演劇祭ー

■構成・演出:長堀博士,出演:塩山真知子,杉村誠子,加藤翠ほか,劇団:楽園王
■新宿眼科画廊・地下,2024.8.2-6
■夏目漱石「夢十夜」より、宮沢賢治「よだかの星」、「風」を一日目に、「赤い靴」、「アオイハル」、岸田國士「紙風船」を二日目に観る。 全6作品です。 
観客は20名でほぼ満席。 ここは初めて来たが名前のとおり劇場にはみえない。 舞台中央にある消火栓の赤ランプも付きっぱなしです。 なぜ眼科なのか?も調べていない。
役者は一人から三人が登場し朗読も入る舞台で1作が30分以内で出来ている。 暑い夏には短編が似合います。 それは心身の弛緩緊張を短時間で繰り返すことができるから。 つまり暑い夜に寝返りを多くするのと同じ理由です。
「夢十夜」は原作と古本屋での出来事の枠構造だが着物姿がどういう訳か原作と繋がっていた。 「よだかの星」は台本を一枚づつ床に散らかしていくのが巧い。 終幕には宇宙的感動が広がってきますね。 「風」は三角関係の一つの定番かもしれない。 物語に既視感があります。 「赤い靴」は不倫の話だが現代的な身振りや言葉の遣り取りが楽しい。 日本の童謡とアンデルセンの童話を終幕に結びつけたのは少し無理があるかな? 「アオイハル」は高校時代を、「紙風船」は夫婦の倦怠期を思い出させてくれる。
6作品はどれも旨味が効いていた。 うち幽霊話が4話あり夏らしさと共に人生の過去を振り返ることもできました。
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