■代が君・ベロベロ・ケルベロス

■演出:下島礼紗,出演:木頃あかね,小泉沙織,中澤亜紀ほか,舞団:ケダゴロ
■シアタートラム,2024.8.22-25
■・・もし戦時中の国民体育大会を見たら、このような舞台だった? 先ずは国歌演奏、衣装は男が褌(ふんどし)で女はブルマ、整列や速足らしき動きと組体操、淫らで楽しい宴会余興も。 20世紀前半日本の風景がみえる。 でも大きな回し車にダンサーが入ってネズミのように疲れ切るまで走り続けるのは何故? そして黒衣装で頭部を前後する踊りはケルベロスのギリシャへワープしてしまう? 混沌たる舞台が続きます・・。
演出家の挨拶文に「日本の国体を考える」とある。 ダンスで<国体>を描くと<国民体育大会>に<宴会余興>を混ぜ合わせたようになる。 <国体>とは支離滅裂なものかも。 はたして振付の多くに「産めよ殖やせよ!」が見え隠れする。 これが挨拶文の答えかもしれない。
観ていながら少子化を考えてしまった。 1億2千万人の今の人口は戦争が影響している。 本来なら昭和初期の人口6千万人を微増減しながら継続するのが自然だった。 現代日本人の生物的歴史的な無意識が少子化を進めていると思う。 将来、日本がより豊かになる条件は戦争を避けながら人口を半減させることでしょう、国体に反しますが。