■ブレス・トリプル BREATH TRIPLE

■作・演出:小池博史,美術:山上渡,音楽・演奏:下町兄弟(pc.rap),中村恵介(tp),衣装:浜井弘治,映像:白尾一博,出演:松島誠,今井尋也,小林玉季,中谷萠
■EARTH+GALLERY,2024.7.29-8.9
■舞台図面をみると幅5m奥行9mの広さでした。 その壁に絵を描き、映像を映し出し、床に小道具を置き、演奏者2名を配し、役者4人が動き回る。
1年前に「WE-入口と世界の出口」をここで観ています。 今回も劇場空間にあらゆるものを詰め込んだ凝縮力が凄まじいですね。 美術・音楽・映像・ダンス・演劇を串刺しにした舞台です。
19世紀末のブラジル起きた「カヌードスの乱」を下敷きにしているようです。 農民、宗教者、権力者が入り乱れる。 このため科白が断続的に続くので舞台は演劇に近づきます。 アフタートークで梅村昇史が演劇の話をしたのはこれを感じ取ったからでしょう。 「<演劇>にこだわる人は多い、しかし・・」(演出家の挨拶文)。 演劇にどっぷり浸かることは避けたい。
壁に描いた民衆絵画を映像で映し出すとリアルさを感じます。 そして荒野を撮ったカラー映像がとても美しかった。 そこにアルレッキーノ風仮面を付けた白塗りの役者をみているとブラジルが現前します。
ブラジルと言えば「悲しき熱帯」(レヴィ・ストロース著)を思い出してしまうが、この舞台ではお呼びでない。 むしろ人類学者山口昌男の王権や道化そして祝祭を感じることができる。
猛暑の中の帰り道に今みた舞台を思い返す。 最初はメキシコと勘違いしていた。 いつものことだが私にはスペイン系とポルトガル系の違いが分からない。 そして、やはり芝居に偏った面白さが出ていたとおもう。 少数農民が多勢の軍隊と戦ったことも強調していたし・・。 ブラジル公演も意識するはずです。 いやー、暑い!
*小池博史ブリッジプロジェクトOdyssey作品
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