■ワーニャ

■作:A・チェーホフ,脚本:サイモン・スティ-ヴンス,演出:サム・イェーツ,出演:アンドリュー・スコット
■TOHOシネマズ日本橋,2024.5.24-(デューク・オブ・ヨーク劇場,2024年収録?)
■なんと一人芝居です。 一人8役ですか? 最初は戸惑いました。 誰と誰が舞台に居るのか?、誰が誰に話を仕掛けているのか? でも直ぐに慣れます。 ヘレナはネックレスを触りソニアはナプキンを揉むのは演出の計らいでしょう。
しかもソニアの父は大学教授ではなく映画監督!? 教授の世間知らずは分かるが映画監督は社会や組織に敏感なはず。 組織重視の監督はこの作品に合わない。
そして、やはりですが一人芝居は喜劇性が強まる。 発声や表情、仕草で役を分けるためです。 映像内の観客は笑いが絶えない。 映画館内も珍しく笑いが聴こえる。 もちろん私もですが。 喜劇だ悲劇だと言われているが、どちらにも転べるのがチェーホフの面白さでしょう。 もちろん後半は笑いが少なくなる。 旅立ちの場面はしみじみとしてしまいました。 アンドリュー・スコットは抑えが効いていましたね。 終幕はもっと抑えてもよい。 新鮮な驚きはあったがチェーホフとしては70点かな。
*NTLナショナル・シアター・ライヴ