■運命の力

■作曲:G・ヴェルディ,指揮:ヤニック・ネゼ=セガン,演出:マリウシュ・トレリンスキ,出演:リーゼ・ダーヴィドセン,ブライアン・ジェイド,イーゴル・ゴロヴァテンコ他
■東劇,2024.4.19-25(メトロポリタン歌劇場,2024.3.9収録)
■METでは20年ぶりの上演らしい。 「卓越した歌手の存在と複雑な台本の処理、この二つが揃わないと上演は不可能だ!」。 指揮者がインタビューで答えていたが、今回この二つがクリアできたと言うことね。
はたしてソプラノ、テノール、バリトンの3歌手は聴きごたえ十分。 ただしドン・カルロ役イーゴル・ゴロヴァテンコはMET初出演で張り切り過ぎたかも。 バリトンには聴こえなかった。 そして映像を取り込んだ現代の演出は現実的で、レオノーラの修道院生活との乖離が際立つ。 でも戦争が抽象化され落ち着きを取り戻した後半からヴェルディの世界へ戻っていくことができたわよ。
占い師プレツィオジッラが登場する場面は地獄に直結した雰囲気がでていて興奮、それと存在感ある父の亡霊の度重なる出現もね。 運命の力とは戦争と宗教を絡めて、生まれや育ちなど階級的な社会的出自に関わる力だと思う。 だから当時の皆がヴェルディに熱狂したのね。
*METライブビューイング2023作品
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