■唐茄子屋、不思議国之若旦那

■作・演出:宮藤官九郎,出演:中村勘九郎,中村獅童,中村七之助ほか
■新宿ピカデリー,2024.1.5-25(平成中村座,2022.10収録)
■「とうなすや、ふしぎのくにのわかだんな」を訳すと「カボチャ売り、不思議の国のアリス」。 ここでアリスは若旦那に代わる。 期待以上!流石クドカンですね。 科白の厚みが際立っている。 落語からの引用が多い為でしょう。 言葉を重ね合わせながら物語が紡ぎ出される。 それは<労働>と<カネ=貨幣>、それを越えた<贈与>と<返礼>が語られる。 「・・生きることは、みっともないことなのだ!」。 カボチャ売りに落ちぶれた若旦那へ、叔父からの言葉である。 心と体のすべてを曝け出し本気にならないとカネは稼げない。 働く、そして生きるとはそういうことだ!と。 その得たカネで貧しい母子を助ける若旦那・・。 共同体の核心を突く人情噺です。
途中、旦那役中村勘九郎がパラレルワールド吉原遊郭へ入り込み歳や身長が伸びたり縮んだりするが、ここは中村勘太郎と中村長三郎を登場させ3人一役で楽しく演じる。 久しぶりに隅田川東岸の面白さを堪能しました。
*シネマ歌舞伎2024年作品
*「ブログ検索🔍」に入れる語句は、宮藤官九郎 ・・検索結果は5舞台.