■ばらの騎士

■作:フーゴー・フォン・ホーフマンスタール,演出:宮城聰,寺内亜矢子,音楽:根本卓也,出演:石井萠水,大高浩一,木内琴子ほか,劇団:SPAC
■静岡芸術劇場,2024.1.7-3.10
■元帥家執事のプレトークを聴く。 オペラ「ばらの騎士」とは似て非なるものらしい。 早速場内へ。
生演奏や歌唱はあるが演劇と言ってよい。 元帥夫人の不倫相手がズボン役のため作品が生き生きしている。 そして夫人の倦怠感が随所に見られる。 ここが作品の要ですね。
しかし舞台は徐々に脱線していく。 引き回すのはオックス男爵ですか? ハチャメチャ過ぎる。 ドタバタ劇が続いていきます。 夫人が霞んでしまい高貴な倦怠の世界へ浸れない。 絶妙な均衡が崩れてしまった。
夫人が語る<時間>や<意識>などの哲学的議論が楽しい。 これはオペラでは演奏と歌唱の裏に隠される。 「時は意識と同じ速さで流れている(だから時は見えない)」「時は見えることがある(それは意識がアンニュイに向かう時)」。
終幕、彼女は時が流れ落ちていくことをオクタヴィアンに諭します。 はたして舞台はオペラと同じエキスを追求していました。
*SPAC2023秋-春シーズン作品
*「ブログ検索🔍」に入れる語句は、宮城聰 ・・検索結果は27舞台.
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