■能楽堂一月「三人夫」「春日龍神」

*国立能楽堂一月定例公演の□2舞台を観る.
□狂言・大蔵流・三人夫■出演:山本則秀,山本則孝,山本則重ほか
□能・観世流・春日龍神(龍女之舞,町積)■出演:山階彌右衛門,林本大,武田祥照ほか
■国立能楽堂,2024.12.6
■観応えのある2舞台だった。 「三人夫(さんにんぶ)」は三国の百姓が年貢を納めに上京する話である。 三人が連れ立って上る場面、年貢を納め歌を詠み祝酒を頂戴する場面、そして舞を舞いながら帰郷する場面、どれもが明るく楽しい。 左右上下の人間関係がすべて共感で繋がっている。 年初に相応しい。
「春日龍神」の小書「町積(ちょうづもり」は初めて聴いたが科白の長さに驚いてしまった。 長安へそして天竺へ渡航する明恵上人の思いを留まらせようと末社の神が10分近く喋り続ける。 神は正月返上で暗記をしたはずだ。 これでは明恵上人も諦めるしかない。 龍女が天女ノ舞、続いて龍神の激しい舞働で新年の元気を貰えた。  面は「小牛尉」から「泥顰(でいじかみ)」へ、後ツレは「龍女」。 全ての場面が充実していた。 お年玉宝くじが当選したような気分で千駄ヶ谷を後にした。