■NOBODY IS HERE

■演出・振付:笠井叡,出演:山東瑠璃,大植真太郎,ピアノ:大瀧拓哉
■東京芸術劇場・シアターイースト,2024.1.26-28
■「・・ここには<誰もいない>ではなく、ここに<誰でもないものがいる>としたい!」。 演出家の挨拶文です。 ダンサーの頭先から足先まで薄い衣装がピタリと張り付いている。 もちろん自由に動き回れる。 目鼻口がハッキリしないので<誰でもない者>にみえます。 まさに舞踏的表現です。
生演奏のピアノを背景に二人は踊りまくる。 笠井叡とわかる振付です。 曲はベートーヴェンとバッハですが演出家の好みでしょうか? でも曲に合わせるのでダンサーの動きは忙しい。 コミカルなダンスと言ってよい。 曲に引きずられているようにみえる。  
オイリュトミーダンスでは同作曲家でも滑らかな動きをしていたはずだが・・、何故このようなギザギザな振付になってしまったのか? 粗い振付は「アイデンティティを喪失していく姿」を描いているのかもしれない。 この喪失と回復が作品の要のようです。 でもテーマが重いとダンスを観る喜びは薄められます。 ところで、カーテンコールでのダンサー大植真太郎の挨拶は笑ってしまいました。
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