■能楽堂一月「鞍馬参り」「二人静」

*国立能楽堂一月普及公演の□2舞台を観る.
□狂言・大蔵流・鞍馬参り■出演:茂山あきら,茂山七五三
□能・金春流・二人静(ふたりしずか)■出演:高橋忍,井上貴覚,原大ほか
■国立能楽堂,2024.12.13
■プレトーク「形と影、二人の女」(小田幸子)を聴く。 ・・「「二人静」は足利義政の時代の1464年に勧進能として、「鞍馬参り」は豊臣秀吉1593年に上演記録がある」「両作品には<義経>が、「二人静」はそれに加えて<憑き物>がキーワードになる」「憑き物は当時は日常であった」「義経は白拍子を12人も連れ立っていた(義経記)」。 そして山中玲子論文「・・昔は一人であった」、また演者へのインタビュー「舞う時は二人揃うというより互いの個性を出すのがよい」が紹介された。 「物着」については「大口袴に履き替えるのは金春流だけである」。 などなど・・。
次に舞台を観る。 「鞍馬参り」は太郎冠者と主の間で非実体である梨(果物)の遣り取りが、また「二人静」では憑依された実体と幽霊の非実体との間に無言の遣り取りがある。 この非実体への働きかけも両作品のキーワードとしてもよいだろう。 とくに相舞の途中で両者が向き合うのだが、この両体融合の場面は劇的である。