■能楽堂四月「引括」「雲林院」

*国立能楽堂四月普及公演の□2舞台を観る.
□狂言・和泉流・引括■出演:松田高義,野口隆行
□能・宝生流・雲林院■出演:金森秀祥,野口能弘,奥津健太郎ほか
■国立能楽堂,2023.4.8
■「引括(ひっくくり)」は離縁を目論んでいる夫が妻に、暇を出すから好きなものを持っていけ、と言うと妻が取った行動は・・!
「雲林院」のプレトーク「伊勢物語のまぼろし、能と注釈と」(田中貴子)を聴く。 ・・源氏物語や伊勢物語は後代の人にとっては時が経ち過ぎて読み難い。 このため多くの注釈書が出回った。 当作品も源氏物語や伊勢物語の注釈が多く見え隠れしている。 以下の3点に沿いながら能と注釈の関係を語る。
1.世阿弥自筆本と比べる
2.雲林院について
3.芦屋の公光(きんみつ)とは
・・。 注釈の影響力に驚く。
舞台では和歌問答、アイの語り、序の舞と続くがどれもが長い。 そのため眠くなりそうになるが、・・しかしそうならない。 この微妙な半覚醒の状態がとてもいい。 公光の夢の続きを観客が引き継いでいるかのような舞台だった。 面は「小尉」と「中将」。 桜雲の廃寺で舞う黃装束の業平に会うのは久しぶりだがどこか憂いがあった。 ところで4月に入って外国観光客が急に増えてきたようだ。