■能楽堂四月「鈍太郎」「藤戸」

*国立能楽堂四月定例公演の□2舞台を観る.
□狂言・和泉流・鈍太郎-萬乃古式-■出演:野村万蔵,小笠原由祠,河野佑紀
□能・金春流・藤戸■出演:櫻間金記,福王茂十郎,野村万之丞ほか
■国立能楽堂,2023.4.5
■「鈍太郎」は妻と妾を持っている。 彼はどうしても妾に目がいってしまう。 そこで平等に接しない案を出したのだが、結局は二人に捨てられてしまう。 萬乃古式(よろずのこしき)を取り入れたので、現代の男女平等の問題にも繋がっている。
「藤戸」は平氏との戦いで手柄を立てた佐々木盛綱がワキ、漁師の我が子を盛綱に殺された老母、そして亡霊の息子がシテとして登場する。 前場は母の悲嘆の姿が迫ってくる。 後場は息子が登場し盛綱を呪うが成仏を遂げる。  
シテが一人二役のため母と息子は出会うことがない。 どちらも相手が盛綱のため舞台感動が弱くなった。 息子が母を連れに来たとも受け取れるが読み過ぎか? シテの声が聴き辛かった。 面は痩女(やせおんな)と二十余(はたちあまり)。