■笠井叡DUOの會

*次の□4作品を観る。
□犠儀(朝日講堂,1963年)
□丘の麓(青年座,1972年)
□病める舞姫(スパイラルホール,2002年)
□笠井叡の大野一雄(新作)
■演出:笠井叡,出演:川口隆夫,笠井端丈
■吉祥寺シアター,2022.11.16-19
■劇場に着くと「笠井叡 体調不良で出演できず・・」と貼ってある。 どうなるのかな? 何もなかったように幕が開く。 笠井叡の語りがスピーカーから聞こえる。 録音に代えたのだろう。
4作品すべてを川口隆夫と笠井端丈が踊る。 その背景に「土方メモリアル」(2002年)で録画した映像を映し出す・・? 二人が踊っている後ろで映像の二人が踊る感じだ。 しかも映像の中の背景に大野一雄と笠井叡の二人が踊っている古い映像を映し出している・・! つまり同時に3組のダンスを観ていることになる。
最初は目が回ったが次第に一番古い映像に焦点が絞られていく。 どれも数十年も前の舞台だ。 笠井叡はドイツに近づいていたので「タンホイザー」でも振付はブレない。 しかしワーグナーはより上手だ。
このため生舞台の二人が掠れてしまった。 こういう企画・構成だからしょうがない。 でも最後の新作は面白かった。 笠井叡の振付と一目でわかる。 笠井端丈も調子に乗っていた。 音楽はモーツァルト「レクイエム」らしいが字幕を付けてくれると舞台への親しみがより深まったろう。 やはりワーグナーやベートーヴェン「ハヤサスラヒメ」よりモーツァルトが似合う。