■私の一ヶ月

■作:須貝英,演出:稲葉賀恵,出演:村岡希美,藤野涼子,久保酎吉ほか
■新国立劇場・小劇場,2022.11.2-20
■オモシロイと言ってよいのか、ツマラナイと言ってよいのか、不思議な舞台でした。 複雑な構造をしている。 空間が三つに分けられ時間も過去と現在が交差する。 そこに誰かの思い出らしき過去も入る(?)。
母と娘の交換日記の佳境場面ではジワツと感動がきました。 しかし観終わった後にはそれが遠のいていく。 日常生活によくある一時的な非日常のような作品です。
母の泉と二人の子、明結(あゆ)と拓馬、それに祖父母の実と美由紀が伊川家の構成かな? 途中、明結が「拓馬オジ」(?)と言ったので困惑、そして「拓馬は明結のお守りを・・」という台詞に混乱。 やっと拓馬が明結の父親と分かる。 科白に訛があるので聞き違えが多分にあったようです。
拓馬の行動は異常にみえる。 なぜコンビニで何回も買い物をするのか? 観客を脅迫的にさせます。 彼は自死をしたらしい。 家族がいくら語ってもしかし、それが行動と繋がらない。 「拓馬を利用した」。 この台詞が全体に当てはまってしまった。 司書である佐藤と明結と拓馬の関係は人工的だが気になりません。
「私の一ヶ月」は感動の日記に繋がり文句のない題名です。 実験的な舞台にみえました。 巧く言えませんが。 ワークショップの賜物でしょうか? この流れを作ることができれば芝居世界がより広がります。 母娘の親密な関係が光っていました。
*NNTTドラマ2022シーズン作品
*「ブログ検索🔍」に入れる語句は、稲葉賀恵 ・・検索結果は3舞台.